ウラルを越えた民族 チェチェン3 ロシアファッションブログ165
ロシアファッションブログです。ウラルを越えた民族、チェチェンの3回目です。今回はチェチェン民族のファッションについてお話します。
まずは昔からの民族衣装としての観点から。
チェチェンの民族衣装
チェチェンの民族衣装は、華やかでユニークな創造性、古代の習慣、そして精神的な価値観、信仰も反映しているものです。
チェチェンの人々は、祖先への深い敬意を部下として持っています。したがって、民族衣装は今の時代になっても単に美術館に保管されるのではなく、日常生活で広く使用されています。
チェチェンの民族衣装では、生地は羊毛から紡ぎ出され、カフカスに生息する動物の毛皮や革が広く使われていました。
布、フェルトなどすべてがチェチェン人自身による生産でした。つまりほとんどすべてのチェチェン女性が裁縫のスキルを持っていたということです。
男性の民族衣装
男性用衣装の主要部分はズボンと細長いセミカフタン(Beshmet ベシュメット)でした。ズボンは上から下に向かって先細になっているので、ブーツに入れるのに便利なシルエットと会っています。
ベシュメットは、チェチェン人の姿のスリムさと筋肉質を完全に強調していました。ベシュメットの胸の部分は常に結び目ボタンでしっかりと固定する必要があります。
ベシュメットは普段着としてもお祝い用、あるいは余所行き衣類としても使用されました。これらを区別するためのの唯一の違いは使用された生地です。日常ではシンプルな綿生地を使用し、お祝いのバージョンでは高価な多色のサテンを使用しました。ベシュメットはぴったりと体にフィットしているにもかかわらず、快適で、戦に出る男性の動きを妨げませんでした。
チェルケスというこーとがありますが、このコートは。ベシュメットと外観は似ています。お祝いに使わられることが多く、常により高価な素材で作られていました。チェルケスはベシュメットの上に身に着けられますが、ベシュメットとは異なり、チェルケスのコートはベルトにのみ固定されていました。
この衣服の最も興味深い部分は、胸の両側にあるカズイリと呼ばれる、弾薬と弾を入れておく筒を収めるところです。現在、この部分に弾薬や弾を実際に入れている人はいませんが、飾りとして男性の民族衣装には欠かせないものです。
もうひとつ男性の民族衣装で興味深いのはブルカです。ブルカは、アフガニスタンなどでは女性が着るものとして日本でも有名ですが、チェチェンでは男性用で、しっかりとした先細の肩を持つノースリーブのフェルト製のマントです。ブルカは羊飼い、戦士、旅行者の不可欠なアイテムでした。生まれたばかりの男の子は常に最初にブルカに包まれます。こうしてこの男の子の将来への期待が込められたのです。
ブルカは女性だけが作るものですが、誰でも作る権利を持っていたのではなく、最高の職人だけがこの権利を持っていました。生産には高品質の羊毛のみを使用しました。
実用性も優れていて、敵の予測ができない高地の状況では、この暖かくて防風性、防水性の高いコートは、毛布替わり、布団替わりのような寝具としても機能しました。
チェチェンの女性は謙虚で、純潔、貞操を誇りとしで、決して自分の体を詮索好きな男性の目にさらすことはありません。この振る舞いは、伝統的な衣装のカットに反映されています。
女性のコスチュームは色彩が非常に多様です。年配の女性は落ち着いた色調の服を着ていますが、若い女の子は金と銀の糸や、高価な石で飾られたさまざまな色合いのドレスを着ています。
女性の服装は4つの部分で構成されています。
これはチュニックの形をしていて、足首までの長さです。胸には小さな切り欠きがあり、小さなボタンが付いたスタンドカラーが典型的です。
このボトムドレスは、ゆったりしたズボンと一緒に着用し、頭飾を合わせて着ることが基本です、
このボトムドレスはトップドレスに比較して控えめでありながら、装飾には銀と金の糸、貴石と半貴石が使われることもあり、この外観は家族の経済的な地位を反映していました。
このトップドレスはカフタンか長いローブに外観が似ています。衿がなく胸元が開いていて、腰は小さなフックで留められていたため、シルエットはとても優雅で女性らしい形になりました。
トップドレスはモロッコ、シルク、サテン、ベルベットなど、最も高価で美しい生地が使用されました。さらに豪華な刺繡、宝石、ビーズで飾られていました。スカートの裾は2枚の花びらのように分かれており、衣装にさらなる優雅さを与えています。
チェチェンの女性の頭にはすべからくスカーフか軽いショールで覆われていました。スカーフは、帽子が男性にとって重要であるのと同じくらい女性にとって重要でした。それは純粋さと純潔を象徴していました。
ベルト
ベルトは女性にとって非常に重要でした。銀、金、宝石が使われました。ベルトは相続によって受け継がれ、母親は結婚式の前に娘に最初のベルトを与えるのがしきたりでした。
以上、チェチェン民族の民族衣装を紹介してきました。こうした伝統を今に残し、チェチェンファッションとして世界に発信したファッションショーが、昨年2月パリで開かれました。
パリでのチェチェンファッションショー
チェチェンの首長アイシャット・カディロワの長女が率いるFirdausのファッションハウスによる服のコレクション「ラブストーリー」が、パリのファッションショー「ロシアの季節」の一部として発表されました。
カディロワは言います。「10年前から、Firdausファッションハウスは、伝統を守り、同時に現代的である女性に触発されてきました。丸みを帯びた肩、細いウエスト、柔軟なウエスト、そして下に向かって分岐するスカート。これは花に似ています。」
さて、このファッションショーは動画で見ることができるので、あげてみました。
さて、いかがでしたでしょうか。チェチェンの独特なファッションをお楽しみいただければ幸いです。
参考資料
コメント