ロシア連邦、ダゲスタン共和国で子供の中毒集団発生

1月12日、20時03分のインターファクスの電子版で、子供の集団中毒の記事が掲載されました。その後何回か記事アップデートされ、現在は中毒を起こした子供は50人程度、症状は熱、吐き気、嘔吐が中心ということが分かっています。中毒の発生源は水道が疑われ、現在この地域では水道水を飲まないよう注意喚起されています。

https://www.interfax.ru/russia/744848

https://www.interfax.ru/russia/744869

細心の記事の見出しは、Число отравившихся в дагестанском Буйнакске детей превысило 50となっており、

「ダゲスタンのブイナクスクで中毒を起こした子供たちの数は50人を超えた。」

となります。ロシアのダゲスタン共和国は、ロシアの西南の端、カスピ海に面した共和国で、グルジアやアゼルバイジャンにも接しています。

退院している子供たちもいるようなので、おそらく大部分が軽症なのでしょう。原因物質など続報が出てきたらお伝えします。このブログでは、ロシア語学習の情報提供の一環としてロシアのメディアが取り上げたニュースを、日本のメディアの報道に先駆けてお届けしています。

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ブラジルから帰国した日本人がコロナ変異種に感染したニュースが11日にロシアでも取りあげられました。

TASS通信も取り上げましたが、ここではインターファクスのものを紹介します。

見出しは、В Японии нашли штамм COVID-19, отличный от обнаруженного в Британии и ЮАР となっています。1月11日の記事です。

https://www.interfax.ru/world/744563

意味は、「日本で、英国や南アフリカで見つかったものとは異なるCOVID-19株が見つかった。」となります。

実際には、ブラジルからの帰国者である4人の日本人から見つかったのですが、NHKの情報をコピーしたのみであったので、、国立感染症研究所が出している情報は精査されていませんでした。以下のサイトにまとめられています。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10107-covid19-33.html

さて、見出しだけではわからない事実は、記事を見るともう少しはっきりしますが、日本人はブラジル・アマゾナス州の帰国者であったこと、つまり日本で発生した変異ではないであろうということ、またこの変異種が英国や南アフリカのものとは異なることはきちんと述べられています。

また、記事には日本での感染者数や死者数も参考として報告されており、多い、少ないとぴう評価は述べられていないものの、読者がおのずと他の国々との数字の比較ができるようになっています。

変異種が検出されると、その地域からの出国者を入国禁止措置とする国は多いですが、この場合はどうなるのでしょうか。検出地はあくまでも日本ですが、変異株の特徴から、ブラジル由来であることは間違ないように思えますが、それでも日本からの入国を制限する国は出てくるでしょうか。ブログ筆者は今夏ロシア訪問を計画しているので気になるところです。

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ロシア紙ルスカヤガゼータで取り上げられた菅首相のニックネーム

モスクワ時間1月9日0時2分に不思議

な記事がルスカヤガゼータに現れました。次の見出しです。

Японский премьер Суга за авторитарность получил прозвище в честь Сталина

「日本の菅首相は、その権威主義から、スターリンにちなんだニックネームをつけられた」

というものです。記事のもとは、毎日新聞で、そのニックネームはスガーリンであるとのこと。知りませんでした。

ルスカヤガゼータの記事の内容は、「菅首相は日本のコンセンサス重視の政治姿勢をとらず、個人で決定してしまうけいこうがあり、幾人かの重要人物が解雇された」と毎日新聞が述べている、というものです。

https://rg.ru/2021/01/09/iaponskij-premer-suga-za-avtoritarnost-poluchil-prozvishche-v-chest-stalina.html

因みに元ネタを当ってみると、毎日電子版の記事

https://mainichi.jp/articles/20201223/k00/00m/010/307000c

に、「菅首相の呼び名、ガースーから「スガーリン」に? 自民議員のぼやきと苦笑のワケ」というものがあり、これは2週間も前に掲載されたものです。

今現在の首相への批判は、スガーリンどころか、顔の見えない、あるいは主張のはっきりしない、棒読みの、という論調が多い気がしますが、この時期にロシアの新聞がこうした記事を取り上げた意味は何なんでしょうか。前回、ロシアの新聞記者の取材能力という点でポジティブな評価をしましたが、メディアによってはやはり3面記事、あるいはそれ以下の記事もあるという訂正をしておきます。

しかしながら、記事上での最後の表現は、

Oтмечает газета Mainichi, появление такого прозвища имеет скорее насмешливый характер, и может служить показателем снижения рейтинга Сугу, ставшего премьером в середине сентября 2020 года, после неожиданной отставки предыдущего главы японского правительства Синдзо Абэ.

となっており、意味は

「毎日紙は、このようなニックネームの出現は非常に嘲笑的な性質を帯びており、阿部晋三前首相が予期せず首相を辞任した2020年9月中旬に首相に就任した、菅首相の評価が低下したことを示しているのかもしれない、と述べている」

となりますから、内容を鵜呑みにしているわけではなく、一新聞社の見方に過ぎない、ともとれる訳です。その意味では、記事を取り上げた意味に疑問はあるものの、事実の伝え方、表現方法としてはそれでも優れたロシア基準を保ったと言っていいかもしれません。

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慰安婦訴訟に対するロシア紙の速報

韓国における民事訴訟で、韓国の地方裁判所は被告日本政府を有罪とし、12人の原告に対し一人当たり950万円の損害賠償を支払うよう命じました。日本政府は即座にこの判決が認められない旨を発表しましたが、ロシアのTASS通信はm日本時間、本日1月8日12時34分に電子版の記事として掲載しました。

https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/10419685

В Японии не признали решения южнокорейского суда по делу о “женщинах для утешения”という見出しですが、意味は、

「日本は「慰安婦」に関する、韓国の裁判所の決定を認めない」となります。

記事の中身は、ほぼ日本政府の主張、を伝えるものですが、慰安婦の総数については20万人という国連の認識する数字を使っています。

けれども、記事の一部として、

По итогам переговоров тогдашних президента Южной Кореи Пак Кын Хе и премьер-министра Японии Синдзо Абэ в декабре 2015 года стороны договорились окончательно решить омрачавшую двусторонние отношения проблему. Токио, в частности, тогда принес официальные извинения и передал $8,9 млн в фонд помощи жертвам военных преступлений.

「2015年12月に当時の韓国のパク・クネ大統領と日本の阿部晋三首相との会談の後、両当事者は、二国間関係に暗雲をもたらす問題を最終的に解決することに合意しました。特に東京は、公式に謝罪を行い、戦争犯罪の犠牲者を支援するための基金に890万ドルを寄付しました。 」

という事実、つまり一度解決を合意したが、韓国が一方的に合意を破棄した事実を述べているので、とても公平な立場でこの件を扱おうとしていることがよくわかります。

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TASSに中国のコロナ最新情報が掲載されています。

日本時間1月8日午前4時のTASS通信の記事に、以下のものがあります。

Коронавирус продолжал распространяться по Уханю и после официального окончания эпидемии

意味は、「コロナウイルスは、流行の公式に終了後も、武漢で広がり続けました。」となります。

https://nauka.tass.ru/nauka/10394233

記事全体では、

科学分権を取り上げる形で、その内容を要約したものです が、驚くべきはその感性です。日本のメディアの記事がコピペや総3面記事化しているのに比べ、出典がアカデミックで、かつ新鮮な情報が取り上げられています。ちなみにこの記事は 科学雑誌PLOS Neglected TropicalDiseasesに 1月7日に掲載されたばかりのものです。

内容は以下のURLで確認可能です。科学文献ですので、google翻訳で日本語で読んでも分かり易い内容です。

https://journals.plos.org/plosntds/article?id=10.1371/journal.pntd.0008975

この記事を秀逸と考えた理由は、中国においてのコロナ感染症の謎、発病患者や感染者が抑えられているということを、PCRの感度の悪さ、そして IgM抗体陽性率 を測る方法での再検査で感染は広がっていたこと、そして武漢で変異したコロナウイルスは弱毒性であったため、実際には感染があったものの発病する患者がいなかった可能性を示唆している文献を取り上げた点です。

もちろん、これらの研究は中国の研究者が実施していたものなので、信頼性に欠けると考える方もおられると思いますし、その可能性はあるかもしれません。中国の隠ぺい体質の言い訳ともとれる内容ですから。

ともあれ、ロシアのメディアの記事の特徴は、感情をあおる表現が少なく、事実を淡々と述べるという形式にあります。事実だけを述べておいて、後は読者に任せ決して民心を誘導しない(少なくとも誘導しているようには見えない)という姿勢は昨今の欧米のメディアとは一線を画すように思います。

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スペースデブリをどうするか。日本の取り組みがロシアで紹介される。

こんにちは。ロシアのメディアで取り上げられた記事を日本で紹介される前に先取りし、皆様のロシア語学習にお役に立ちたいと思います。

さて今回は、モスクワ時間1月7日午前0時2分、日本時間同日午前6時2分、イズベスチア電子版に掲載された記事です。

Японский стартап решил слегка прибраться в космосе и запустить устройство для очистки от космического мусора. Ученые уже доставили свой аппарат на Байконур, чтобы в марте отправить прибор в космос вместе с кораблем «Союз». Между прочим, не только японцев беспокоит чистота Вселенной, ведь проблема космического мусора стоит серьезно и может угрожать всем жителям Земли. Из чего состоит космический мусор и как с ним предлагают бороться — читайте в материале «Известий».  とあります。

https://iz.ru/1105421/elena-motrenko/priberites-tam-chto-delat-s-kosmicheskim-musorom

この意味は、「 日本は、宇宙を軽く清掃するため、スペースデブリを取り除く装置を起動することにしました。科学者たちはすでに装置をバイコヌールに届け、3月に『ソユーズ』宇宙船に乗せこの装置を宇宙に送りました。ちなみに、宇宙のごみの問題は深刻で、全地球の人々を脅かす可能性があるため、日本人に限らず宇宙の清潔さについて懸念しています。宇宙のごみが何で構成され、どのように処理することを提案しているのか、以下のIzvestiaの資料を読んでください。」 とあります。

記事本文では、米国や中国由来の宇宙のごみを紹介していますが、イーロンマスクの打ち上げたテスラロードスターも宇宙ごみとして認識されたことを挙げ、これらの国を皮肉っています。

日本の計画に関しては、

Японская компания Astroscale надеется решить проблему с помощью небольшого прямоугольного спутника (шириной 110 см и длиной 60 см) с магнитными панелями, на которые будет притягиваться весь мусор.

と掲載されましたが、この意味は、

「日本のAstroscale社は、すべてのごみを引き付ける磁気パネルを備えた小さな長方形の衛星(幅110 cm、長さ60 cm)をもって、この問題を解決したいと考えています。」です。

最後には、こうした日本の技術をうわ回る、ごみを燃料化して燃やしてしまうロシアの技術を紹介しながら記事を終わっています。

うがった見方をすれば、ここにも反米意識と、少しの中国警戒感と、また少しの対日好感情が匂う気もしますが、こうした記事が日本のメディアに取り上げられるとどう解釈されるかも、ロシアのニュースを見るときの一つの楽しみになります。

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ロシアでの記録的な暑さ、2020年

あけましておめでとうございます。早速ですが、今年も皆様のロシア語学習のためのテーマを提案していこうと思います。

1月5日のTASS通信の記事に、次のようなものがありました。

Прошедший 2020 год установил рекорд по теплу в России. 「昨年の2020年には、ロシアにおいて記録的な暑さとなった。」

https://tass.ru/obschestvo/10409793

という見出しですが、ロシアのすべての連邦地区での温度の記録は130年前に始まりましたが、昨年の記録として、北カフカス連邦を除くすべての地区で最高年平均温度となりました。特にモスクワの平均気温がそれまでの温度の比べ3度も高かったことは注目すべきことと述べています。

シベリアでの温暖化は年間を通してニュースとなっていましたが、やはりロシア全土が温暖化傾向にあったのですね。

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Jarucoロシア語学校 市川教室を再開いたします

皆様、2018年より、2020年の市川教室開校のため準備をしてまいりましたが、新型コロナ感染の影響から、予定していた2020年の教室開校を延期しておりました。

今般、当校に充ててのお問い合わせを多くいただていること、また依然としてコロナ感染のリスクを考慮しなければならない状態であることから、まずは市川校をのプライベート授業およびWeb校を再開することといたしました。

つきましては、当校のロシア語学習に興味のある方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。市川教室でのプライベート授業、そしてSkypeまたはZoomにての授業についてご説明いたします。

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ナワルヌイ事件に関連するロシアとEUの軋轢

日本のニュースメディアに今後掲載される可能性のあるロシア関連ニュースを先取りしてお知らせします。時事ロシア語学習の教材としてもご利用ください。

ロシア時間、2020年12月24日0時50分にイズベスチア電子版が次のような記事を掲載しました。https://iz.ru/1103859/2020-12-24/rf-i-ozkho-ne-smogli-dogovoritsia-ob-ekspertnom-vizite-po-intcidentu-s-navalnym

РФ и ОЗХО не смогли договориться об экспертном визите по инциденту с Навальным

この意味は、「ロシアとOPCWは、ナワルヌイの事件に関する専門家の訪問に合意できなかった。」となります。

日本や西側欧米諸国のニュースメディアもこの事実を早晩取り上げるとは思います。ロシア側、西側の見方のどちらに肩入れするかは置いておいて、ここではロシア語教材として記事のみ紹介します。記事の続きは以下です。

Россия и Организация по запрещению химического оружия (ОЗХО) столкнулись с трудностями, пытаясь согласовать визит международных экспертов для расследования обстоятельств ситуации с Алексеем Навальным. Как рассказал «Известиям» российский дипломатический источник, в то время как Москва требует от организации обмена пробами и совместной работы, ОЗХО намерена забрать имеющиеся у РФ материалы, ничего не предоставив взамен.

「ロシアと化学兵器禁止機構(OPCW)は、アレクセイ・ナワルヌイの状況を調査するために国際的な専門家の訪問を調整しようとする際、困難に直面した。ロシアの外交筋がイズベスティアに次のように語った。モスクワはこの組織に資料の交換と、共同作業を要求しているが、OPCWは何の見返りも提供せずにロシア連邦から資料を得る予定だ。 」となります。

さて、イズベスチアはこの件に関して、さらなる追加記事を掲載しているのでこちらもご参照ください。https://iz.ru/1103240/ekaterina-postnikova/toksichnye-otnosheniia-chto-meshaet-sotrudnichestvu-rossii-i-ozkho

これを読むと、ロシアと西側の軋轢の理由が明確になります。

Западные страны во главе с ФРГ требуют от России возбудить по факту отравления уголовное дело — Россия говорит, что для этого ей нужны пробы пострадавшего, которые находятся в Европе.

ドイツを中心とする西側諸国は、中毒の事実に関する刑事訴訟を開始するようロシアに要求している。一方、ロシアは、そのためにはヨーロッパにいる犠牲者の資料が必要であると述べている。


Российские представители подчеркивают: на запрос о пробах ФРГ отправляет их в ОЗХО, а там им, наоборот, говорят обращаться к Берлину. Как рассказал «Известиям» источник в германских дипломатических кругах, причина, по которой России не передают биоматериалы, заключается в том, что этого не хочет сам пострадавший, и немецкие специалисты, исходя из врачебной этики, не могут действовать вопреки этому.

ロシアの代表者は次のように強調します。ドイツの資料要求に応じてOPCWに尋ねると、逆に彼らは、ベルリンに連絡するように言われる。ドイツの外交の情報筋は、生物材料がロシアに移されない理由は被害者自身がこれを望まないためであり、医学倫理に基づくドイツの専門家はそれにも反して行動できないと言っていると、イズベスティアに語った。

翻訳の部分は、多少意訳も入れてしまいましたが、事実を曲げたり印象操作するようなものにはしていません。

これらの情報を見ると、西側は簡単にはロシアの情報や資料を手に入れられそうもないということが分かります。

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ナワルヌイ毒殺未遂事件に関するプーチン大統領の記者会見のロシア語解説

毎年年末プーチン大統領はその年の総括という意味で、ロシア国内外のメディア記者を集めて、3から4時間をかけての記者会見を行います。今年2020年は、12月17日にコロナの影響でリモートで行われましたが、プーチン大統領と各メディアの精鋭記者との丁々発止のやり取りはロシア語学習の格好の素材となります。

さて、表題のナワルヌイ毒殺未遂事件とは、プーチン大統領の政敵と考えられる政治家ナワルヌイ氏がロシア国内便の移動中に具合が悪くなり、緊急着陸し病院に運ばれたものの、ナワリヌイ氏の奥さんからの要求でドイツの病院に移送され、その後神経毒のノビチョク系薬物が死の体内から検出されたというものです。当然ナワルヌイ氏及び欧米政府はプーチン大統領の指示により行われた毒殺事件として、国際政治の大きなテーマとなっています。

17日の年末記者会見でもこのテーマが質問され、プーチン大統領は、この事件は米国の組織のでっち上げであり、ナワリヌイ氏が最初に収容されたロシアの病院では毒物は検出されておらず、またドイツや欧米諸国が毒殺未遂を主張するなら根拠を示すよう、あるいはロシアも共同で調査する準備を表明しました。

その質疑の中で、プーチン大統領は意味深な回答をしています。

以下は2020年12月17日付、ロシアのメディアRIA新聞社のWeb 版の記事です。

Президент РФ Владимир Путин, комментируя публикации о якобы причастных к “отравлению” Алексея Навального сотрудниках российских спецслужб, заявил, что “берлинский пациент” никому не нужен, чтобы его травить.Во время ежегодной пресс-конференции президенту задали вопрос о “расследовании”, в котором приводились якобы имена и фотографии сотрудников ФСБ, причастных к “отравлению” Навального.Президент назвал эти публикации не расследованием, а “легализацией работы американских спецслужб” и добавил, что это значит, что Навальный пользуется поддержкой спецслужб США.”А если это правильно, тогда это любопытно, тогда спецслужбы, конечно, должны за ним присматривать. Но это совсем не значит, что его травить нужно, кому он нужен-то?” – сказал Путин.”Если уж хотели, наверное, довели бы до конца. А так, жена (Навального – ред.) ко мне обратилась, я тут же дал команду выпустить его на лечение в Германию. В эту же секунду”, – пояснил президент. 出典:https://ria.ru/20201217/navalnyy-1589675501.html

全文の翻訳は省略しますが、太字までの概略は「ナワルヌイの毒殺未遂事件はアメリカの特別部隊のでっち上げに過ぎない。そしてナワルヌイがアメリカの特別サービスの支援を得ていたということを意味するので、ロシアの特殊部隊FSBは当然彼を監視するだろう。」となります。

そして、肝心の Если уж хотели, наверное, довели бы до конца. の訳は「もし彼ら(FSB)が(毒殺することを)望んでいたら、おそらくそれを終わらせていた(毒殺していた)でしょう。」となります。

文法的に説明すると、この文は現実と異なることを仮定しての仮定法が使われており、Если бы 過去形, бы 過去形 の形になっています。つまりプーチン大統領は、「FSBは毒殺を望んでいなかったし、試みなかった。」との意味を表現したわけですが、一方「望んでいたら、毒殺を完遂していた。」は、FSBは毒殺による暗殺をする組織である、ともとれるわけで、ロシアの政治にはこのオプションがあることをほのめかしてしまうことになります。

現に、この文言は西側のメディアにすぐに取り上げられ、それらを参照した日本の新聞社も引用しました。

https://mainichi.jp/articles/20201219/ddm/007/030/097000c

おそらくは、このプーチン大統領の一言は、今後何度も引用されるようになるかもしれませんので、このブログの読者の皆さんも覚えて損はない仮定法の例となるでしょう。

ただし、この場合は口語であったために、 Если бы 過去形 の正式なものから、 бы が抜けて уж が使われています。後の部分はしっかり бы +過去形の形が保持されていますので意味としては間違いはないのですが、口語では最初の бы が уж に交換可能であることにご留意ください。

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