日本時間1月8日午前4時のTASS通信の記事に、以下のものがあります。
Коронавирус продолжал распространяться по Уханю и после официального окончания эпидемии
意味は、「コロナウイルスは、流行の公式に終了後も、武漢で広がり続けました。」となります。
https://nauka.tass.ru/nauka/10394233
記事全体では、
科学分権を取り上げる形で、その内容を要約したものです が、驚くべきはその感性です。日本のメディアの記事がコピペや総3面記事化しているのに比べ、出典がアカデミックで、かつ新鮮な情報が取り上げられています。ちなみにこの記事は 科学雑誌PLOS Neglected TropicalDiseasesに 1月7日に掲載されたばかりのものです。
内容は以下のURLで確認可能です。科学文献ですので、google翻訳で日本語で読んでも分かり易い内容です。
https://journals.plos.org/plosntds/article?id=10.1371/journal.pntd.0008975
この記事を秀逸と考えた理由は、中国においてのコロナ感染症の謎、発病患者や感染者が抑えられているということを、PCRの感度の悪さ、そして IgM抗体陽性率 を測る方法での再検査で感染は広がっていたこと、そして武漢で変異したコロナウイルスは弱毒性であったため、実際には感染があったものの発病する患者がいなかった可能性を示唆している文献を取り上げた点です。
もちろん、これらの研究は中国の研究者が実施していたものなので、信頼性に欠けると考える方もおられると思いますし、その可能性はあるかもしれません。中国の隠ぺい体質の言い訳ともとれる内容ですから。
ともあれ、ロシアのメディアの記事の特徴は、感情をあおる表現が少なく、事実を淡々と述べるという形式にあります。事実だけを述べておいて、後は読者に任せ決して民心を誘導しない(少なくとも誘導しているようには見えない)という姿勢は昨今の欧米のメディアとは一線を画すように思います。