ロシア語を含む全ての言語は日々変化をしており、ある変化は時間が進むと共に定着すれば新たな文法や単語となり、短い時間で消滅すれば単なる流行だったということになります。Jarucoでは、科学技術の進展や政治経済の変化から来る新たなロシア語の専門用語や表現を、種々のメディアから日々取り入れ、生徒様のロシア語習得目標に合わせた教材を作成しています。さらにロシア語教育法、バイリンガル教育法およびそれらに関連した研究も大学などの研究機関により日々進められており、学会誌や大学の博士論文にアプローチすることにより、これらの新たな知見を取り入れています。
先端的な科学技術を取り入れることは、特許などの知的財産を利用することの対価、つまりロイヤルティーの支払いや共同研究費などの莫大なコストがかかりますが、人文科学系の情報に関しては通常特許などの知的財産権がかかっておらず、それらを応用し、世の中に還元する際にもその分のコストをのっける必要がありません。その観点から言うと、ロシア文学、ロシア語教育研究、さらに幼児教育やバイリンガル教育に関する各学会への参加や学会誌の研究を通じて、自由にロシア語教育、ロシア語バイリンガルの育成を進化させることが、いわゆる大学や研究機関および教育関連の大企業のみではなく、Jarucoのような小さな組織にも可能となる分野がロシア語教育やバイリンガル教育であると捉えることができます。
Jarucoのブログの中でもこれまで何度か、これら学会や学会誌関連の情報をお知らせしてまいりました。現在は情報ソースをさらに広げ、各大学の博士論文についてもアプローチしています。博士論文が参考になるのは、あるテーマについての新たな知見あるいは方向性が示唆されますが、その前提としての現状の問題点が浮き彫りにされることです。例えば、日本語・ロシア語のバイリンガル教育を題材とした博士論文を読めば、新たな知見の提示と共に現状の問題点が明らかにされています。優秀な研究者が2から5年を費やして、現状をまとめ上げ、さらに新たな考えを提示し、かつ関連の専門家から審査された論文は非常に参考になり、しばしばJarucoの方向性の羅針盤となりうるものです。
今後、当ブログで、Jarucoが採用した知見を提示してくれた学会誌上の論文や博士論文を、Web上で公開されたものを中心に紹介しようと思っています。