我々Jarucoはロシア語クラスを提供する語学学校です。バイリンガル教育にも注力しており、対象はロシア語・日本語のバイリンガルの子様です。日本においてなされるバイリンガルの議論は、日本人夫婦が子供を日本語・英語のバイリンガルに育てるというケースがほとんどです。因みにいずれの言語にせよ、異なる母語を話す夫婦は、子どもに対して一貫してそれぞれの母語のみで話すことがバイリンガル育成のためには効果的であることがわかっており、一親(一個人)一言語方式による子育てを選択することが推奨されます。日本人夫婦の場合、一般的にはどちらも英語のネーティブではないので、片親が英語をもう一方が日本語を話すという一親一言語方式を取れません。よって、極端に言えば英語のインターナショナルスクールスクールへ通わせるか、あるいはイマージョン教育を施す私立の小中学校へ通わせると言う選択肢が最も近道となりますが、コストはかなりかかります。一方、日本人およびロシア語圏のカップルの間のお子様には、日本人は日本語のみで、ロシア語圏の親はロシア語のみでお子様と会話することにより、いわゆる一言語方式による効率的なバイリンガル教育が可能です。
しかし、英語以外の言語が対象になるときには若干の懸念点があります。日本の学校に通ういわゆる「ハーフ」の子ども達は、自分が友達と異なる存在に見られたくないと思う時期を経験する場合があります。最悪なケースとして、彼らは外国人である方の親と一緒にいるところを人に見られるのを嫌がったり、第二言語を使いたがらなかったりすることもあります。それは、自分達の母語や文化が支援も尊重もされていないと感じるからです。自分が住んでいる社会で尊重されている国際言語とりわけ英語の習得は、言語的にも認知的にも本人にとって大変有利です(加算的バイリンガリズム)。この点でロシア語は、ロシアが大国であり、海を隔てていると言っても距離的にはごく近い国の言語であるにもかかわらず、日本で注目されている言語であるとは言いがたいです。だからこそ、日本における日露バイリンガルのロシア語教育には、よりロシア語文化やロシア語圏の国々の尊厳をバックグラウンドとして強く有するべきと考えており、これはJarucoの教育方針の主要な部分を占めています。