10月のブログの中で、ロシア語教育研究会(Японское общество по исследованию проблем преподавания русского языка) について紹介しました。今月この研究会のセミナーに参加しましたのでご報告します。今回も、東京、大阪、京都、神戸、新潟、岩手県など日本全国からロシア語の大学やその他教育機関の指導者の方々を中心とした会員が大阪大学に集合しました。研修の後、総会と懇親会にも参加し、ロシア語教育に関する情報交換と、ロシア語教育界の方々との親睦の機会とすることができました。
文部科学省によると日本全国で、高等学校が30校、中学校では1校のみでロシア語教育が取り入れられています。4963校の中に0.6%を数えるに過ぎません。日本にとってのお隣の大国としては、米国、中国、韓国の言語に比して、非常に少ない数字と捉えることができます。一方、英語や中国語授業と比較したら、ロシア語クラスの方は、人数が少ないため学習効果は高いと考えられています。学生同士のペア・グループ活動の変わりに、教師と学生の接触機会が多くなるため、意味交渉が相対的に多くなされるからです。
全国レベルで行われた、主要6言語アンケート調査の結果によると、ロシア語はこれら語学学習者の中で高い動機づけを示しています。日本の方はロシア語を第2、第3外国語として学んでいます。一般的にロシア語の発音や文法などが難しいというネガティブなイメージが持たれがちですが、その難しさが、内発的動機付けの増加につながるとも考えられます。よって自律学習が重要になります。
因みに今回のセミナーで議論された、ロシア語習得に重要なポイントを挙げますと、
- レベルに応じた教材の使用
- 評価のための試験の開発
- 教室外活動、例えばロシア関連イベントに参加
- ロシア人との直接的なミュニケーション
- ロシア語のホームページでの情報探し
でした。
ロシア語の学習者やロシア関連企業向けの教育支援を目的に、研究チームが情報サイトを構築しました。どうぞ参考にしてください。無料でダウンロードできる教材ツールもあります。