10月8日に今年度のノーベル文学受賞者が発表されました。ノーベル賞生理学・医学賞の大村智・北里大特別栄誉教授、ノーベル物理学賞の梶田隆・章京大学宇宙線研究所所長に続き、村上春樹氏の受賞も期待されましたが、大方の予想通りベラルーシ人作家と記者スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチさんでした。ウクライナの出身ですが、小説をロシア語で書いています。スヴェトラーナさんは記者として活動し、貴社活動で得た情報の中から作品を書くという手法です。新聞に出せない当時の関係者のインタビューを、ある程度時間がたった後に小説の中で生かしました。
ソビエト連邦時代であれば、検閲が存在し、スヴェトラーナ女史が小説の中で事実を語るのは非常に難しかったでしょう。以前のソ連のノーベル文学受賞者はブロツキー、ソルジェニーツィン、ブーニンがいますが、彼らは難民でした。パステルナークはロシア国籍を守るために賞を受け取りませんでした。旧ソビエトの国で制度に反対意見を書くのは非常に危険なことでした。
彼女には第二世界大戦を始め、アフガニスタン紛争、チェルノビリ原発事故、ソ連の崩壊を題材とした数多くの作品があります。最近では愛をテーマにした小説も書いています。皆さん、是非一冊何か読んで見てください。
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ
では最後に関連記事の中の一文の翻訳例をごらんになってください。
Алексиевич работает над одной книгой от 5 до 10 лет, записывает интервью 300-500 человек.
「アレクシエーヴィッチさんが本一冊のため五年から十年間取り組み、300-500人分のインタビューを記しています。」
ポイントは、работать + над で、「~に取り組む」と言う熟語として覚えましょう。