ロシア語の格

ロシア語を学習する過程で、生徒様に最もストレスになるのが名詞を中心とした格変化です。英語では、人称代名詞を中心に格変化があり、you, your, you, yours と言う風に覚えさせられましたね。順番は主格、所有格、目的格で4番目は格ではなく所有代名詞が来ています。ロシア語の格は、主格、生格、与格、対格、造格、前置格 の6つがあります。なぜこれが厄介かと言うと、

  • まず日本語の格は、格助詞「が」「の」「を」「に」「へ」「と」「より」「から」が担っており、名詞そのものは変化しない。
  • 英語を学習し始めると、代名詞の格変化は出てくるが、上述のように極簡素な変化である。
  • ロシア語における実際の応用には、6つの格変化に加えて、性(男性、中性、女性)と数(単数、複数)も考慮せねばならない。

等が原因と考えられます。

格の克服法にはいくつかありますが、生徒様の個性により、最初はルールを説明せず、代表的なフレーズを覚えていただき、格変化をミムメム練習(教師の発話の生徒による繰り返し)の中で自然に習得する方法、もうひとつはボリュームの多い変化表を暗記する、が2つの極端な方法論です。最も多いパターンはおそらく、ある程度ルールを理解しておいて、発話練習や、基本文型を暗記する中で、ルールや例外が自然に身についているというものでしょう。 いずれにせよ正確にロシア語を伝えたり、理解するためには、ロシア語の格変化は日本語の格助詞と同様、非常に重要なポイントです。 私どもとしても、格変化を習得していただくよう、教授法には力を入れております。

ロシア語文法で特に問題となるのが、文法として説明する詳しさと決まり文句として説明なしに覚えていただくところの折り合いの部分です。言い換えると、格を中心とする文法事項には一般教科書レベルでは例外的な部分が多く出てきます。この例外部分を例外としてすんなり記憶にとどめられる方、あるいはとどめようとする方と、もっと理屈で整合的に説明を求める方、あるいは整合的な説明を施すことにより記憶が容易になる方がございます。ロシア語文法を追い込んでいくと、スラブ語文典、或いは古代教会スラブ語という範疇の参考書を紐解いての説明が必要になります。Jarucoでは生徒様の嗜好、ロシア語の用途、勉強に当てられる時間を鑑み、いかなる文法に関するご質問に答えられるよう、スタッフが日々ロシア語教育法の学習に精進を重ねると同時に、最新のロシア語研究に関する情報収集のため関連学会のメンバーになるなど、質の高いロシア語教育をご提供するため努力を継続しております

カテゴリー: 教授法 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です