ロシア民族衣装のお店キリコシナ
ロシア民族衣装のお店 キリコシナ

ウラルを越えた民族 タタール ロシアファッションブログ157

未分類
サバントゥイ 出典:https://goodtimetravel.ru/sabantuy-in-kazan/
この記事は約10分で読めます。

ウラルを超えた民族 タタール ロシアファッションブログ157

 

タタール民族

 

人口:クルガン地域の総人口の1.91%、17,000人。全ロシアでは全人口の3.87%、530万人のロシア2番目の民族です。

トランスウラル領土(クルガン)での出現の歴史

さて、タタール民族といっても、実際には、シベリアタタール、ヴォルガタタール、クリミアタタール、カザンタタールと更ならる民族分類が可能であり、同じタタール語を話すものの、方言がわかれていたり、さらには遺伝子的に必ずしも共通の祖先をもたなことがわかっています。こうした事実を背景に、クルガン地域、つまりウラル山脈東側にわたってきた人たいというくくりでいうと、まずは先住民として、シベリアのタタール人はウラル山脈の東、草原、森林草原、森林地帯のトム川までの広大な平原にわずかながらもともと住んでいました。そしてクルガン地域にいたイチキンスキータタール人は何世紀にもわたって住んでおり、やはり先住民と言っていいでしょう。

16世紀になって、カザンタタール人がウラルを超え、クルガン地域のトボル-イルティシュ盆地に定住し始めました。彼らは町といっていいほど大規模な集落に住んでいました。彼らの職業は主に商人で、イスラム聖職者などもおり、コーランが普及され、神学校(マドラサ)も多く開設されました。

クルガンのモスク
出典:https://islamcenter.ru/?item=461

宗教、言語

タタール人の主な宗教はイスラム教スンニ派です。イスラム教はスンニ派とシーア派に分かれますが、約85から90%がスンニ派で残りがシーア派ですので、ほとんどがスンニ派です。

わかりやすく解説!5分でわかるスンニ派とシーア派の違い。 | 進め!中東探検隊
ニュースでよく聞くスンニ派とシーア派。一体どう違う?その違いをわかりやすく解説。宗派が違うと仲が悪い?モスクに違いはある?中東で起きている問題は宗派対立が原因なの?といった疑問を解決。

クルガンのモスクにて、祈るイスラム教徒
出典:https://islamcenter.ru/?item=461

もともとウラルの東側に住んでいた、シベリアのタタール人の母国語はタタール語の文語形といわれるものです。ただし、シベリアタタール語の中で異なった言葉を話す人もいます。この語は音声および文法指標によれば、トルコ語に属するのキプチャク語群のキプチャク語・ノガイ語サブグループに属しています。

 

文化、伝統、衣装、料理

タタール民族は独自の文化伝統を持っており、ロシア民族の儀式と重複しません。いくつかの儀式は他のイスラム教徒のものと同じです。

シベリアのタタール民族の主な職業は、牧畜、牛や羊の飼育です。また彼らの農場では馬も飼育していました。珍しいところでは、ラクダが南の国々との取引のために飼育されていました。漁業や狩猟は今でもタタール民族に人気があります。とる魚はフナ(タバン)です。

出典:https://realnoevremya.ru/articles/117703-mify-o-kazanskom-hanstve-tatary-bulgary-i-chya-zolotaya-orda

タバン
出典:https://tostpost.com/kk/sport-zh-ne-fitnes/4890-taban-baly-aulau-yrk-yek-ayynda-zh-mys-ortasy-snasti-nazhivka-zh-ne-ta.html

 

また狩猟では、水鳥、エルク、ノロジカ、その他毛皮を持った動物を獲物とし、食肉として販売したり毛皮を加工します。

エルク
出典:https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9B%D0%BE%D1%81%D0%B8#/media/%D0%A4%D0%B0%D0%B9%D0%BB:Moose_superior.jpg

ノロジカ
出典;https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9A%D0%BE%D1%81%D1%83%D0%BB%D0%B8

 

伝統的なイベント、祭日

イスラム教徒は古代からナヴルズバイラムを祝います。この祭日は、春分(3月20〜21日)の日に行われるのが伝統です。また、イスラム暦では、この日が新年の始まりとなります。

アゼルバイジャンのナヴルズバイラム
出典:https://supersolnishco.net/46271-navruz-bajram-video-2017-pozdravleniya-s-novruz-bajramom-v-stixax-i-proze-prikolnye-stixi-pro-novruz-bajramy-foto-kartinki-risunki-otkrytki-s-novruz-v-azerbajdzhane-uzbekistane-tadzhikistane.html

 

また5月下旬から6月下旬までの期間は、イスラム暦のラマダンの聖なる月に該当します。ウラザバイラムの祭日は断食の終わりを意味しています。

前夜と休日の日に、義務として施しが収集されます。集められた資金は、乾物製品、またはこれに準じるものがコミュニティの貧しい人々、そのときに偶然いた旅行者などに施されます。

この日、イスラム教徒はお祝いの儀式の祈りを行い、おしゃれをして、お祝いの祈りの後、伝統的な料理を準備し宴を開きます。そして、近所の人、親戚、友人を贈り物を持って訪問します。

また子供たちはさまざまなゲームに参加し、近所の人を訪ね、お菓子をもらいます。大人たちは、貧しい人々に寄付をしたり、贈り物をしたり、ロシア的ですが「お互いに許しを求めたりする」ことも習慣です。

カザンのモスクでのウラザバイラム
出典:https://www.meme-arsenal.com/en/create/template/2703861

 

ウラザバイラムの70日後(7月の初旬から中旬のいづれかの日)クルバンバイラムという祭日があり、イードアルアドハーの犠牲の饗宴ともいいます。

祭日は3日間続き、その間に祈りと特別なコーランが読まれます。

モスクワでのクルバンバイラム
出典:https://ptoday.ru/novosti-i-sobytiya/kakogo-chisla-v-moskve-proydet-prazdnik-kurban-bayram-v-2021-godu/

クルバンバイラムの歴史は古代にさかのぼります。天使ジャブライル(聖書の大天使ガブリエルと同一視される)が夢の中に現れ、アッラーが彼の息子をいけにえにするように命じたことを伝えました。その後、2回目と3回目は夢が繰り返されたため、イブラヒムは命令に従うことに決めました。彼が息子の上にナイフを上げたまさにその瞬間、彼はアッラーの声を行きます。「イブラヒムよ、あなたはすでに命令を実現した…」と言い、子羊を見て、代わりにいけにえとするよう言いつけました。イスラム教徒の解釈によると、アッラーは犠牲を必要とせず、彼は彼の預言者の信仰の力をテストしただけでした。
イスラム教徒は毎年預言者イブラヒムの信仰の厚さとアッラーの慈悲を思い出し、祭礼とともに子羊をいけにえとして殺し、料理します。これが、クルバンバイラムです。

クルバンバイラムでの犠牲となる子羊
出典:https://www.culture.ru/materials/52566/kurban-bairam

このように、イスラム教徒にとっては信仰上重要な祭日であり、子羊を犠牲にすることには深い意味があるため、この日にはいたるところで子羊が殺されます。イスラム教徒でない人道家がこうした血の祭りを嫌い、例えばモスクワなどで、この日に路上で動物を殺してはならない、というキャンペーンが張られたことがあります。

サバントゥイはタタールの人々にとって、娯楽という意味での最も重要な民族の祭日です。この祭日の意味は農業にに関係しており、豊作を祈願する儀式でした。

モスクワのサバントウイ
出典;https://www.mos.ru/news/item/76268073/

 

サバントウイでの出し物、農業に関係している。
出典:
https://www.gazeta.ru/social/photo/ocherednoi_sabantui_v_moskve.shtml

 

ナルドゥガンは、冬至の後の12月下旬から1月の初めまで祝う祭日です。ロシア語で「Nar」は「火、炎、太陽」、「dugan」(「tugan」)-は「生まれた」を意味します。ナルドゥガンは、12月25日から1月7日まで、太陽が「新たに生まれた」ように見え、日照時間が増え始めるときに、春の暖かさの訪れの予感を祝います。この祭日は、タタール人だけでなく、ウドムルト人、チュヴァシ人、バシキール人など、ヴォルガ川とウラル地方の他の人々によってもよ継承されています。

ナルドゥガンの占い
出典:http://sevosetia.ru/Article/Index/312042

 

https://youtu.be/cT0cLFEpk5Q

さて、これでウラルを超えたタタール民族、そしてタタール文化のお話は終わりです。まだまだ、書き足りませんが、いったん筆を置き、次回はウラルを超えたウドムルト民族を取り上げます。ご期待ください。
参考資料

コメント

タイトルとURLをコピーしました