ロシアファッションブログです。現在、ロシアの発明シリーズをお届けしています。今回はロシアにおける18世紀後半の発明についてお話いたします。
2気筒蒸気エンジン
最初の蒸気エンジンは、17世紀にフランスの物理学者Papenによって製造されました。同じ原理で、セヴェリとニューコメンのは、鉱山から水を汲み上げるために真空蒸気エンジンを1705年に建造しています。しかしこれらのシリンダーは一つのみでした。
一方ロシアでは、イヴァン・イワノビッチ・ポルズノフが1763年に2気筒蒸気エンジンを設計し、1764年にはこれを製造しました。この2気筒エンジンの出力は記録的なもので、容量も32リットルありました。
オレンブルクショール
このショールはヤギの毛からとった糸で織られています。別名「蜘蛛の糸」と呼ばれるほど繊細で軽く、かつ保温性に優れているものです。中央アジアに近いオレンブルグ地域の山岳地域に住むヤギの毛を使っているため、この名となりました。日本ではあまり知られていませんが、オレンブルクショールはその品質から欧州では非常に高価に取引されています。軽さ、肌触り、保温性はカシミヤを凌ぐものです。この毛で作ったショールは以前からありましたが、Pyotr Ivanovich Rychkoという研究家が、系統的に研究し製法を確立したのが1776年のことです。
サマバール
次はこのブログに何度も登場しているサマバールです。ロシア式湯沸かし器のことです。
1778年にリシチン兄弟が最初のサモワールを発表し、同じ年に最初のサモワール工場を建設しました。ただし実際には、サマバールに類似した湯沸かし器は中国、イラン、アゼルバイジャンでも見つかっています。ただ、ロシアにおいてこのサマバールの製造法を記録に残し、その技術が今に伝わっているという意味で、「ロシア式サマバールは1778年に発明された。」といっていいでしょう。
ロシアのギター
18世紀の終わり以来、ロシアで広く普及しているロシア独特ギターで、その主な特徴は、古典的な6弦ギターとは異なるチューニングと弦の数(7本)です。発明者はAndrei Osipovich Sikhraです。
ロシア語ですが、そのチューニングの違いと、このギターがロシア音楽にマッチしていることがよくわかる動画を紹介しておきます。
フェドスキノミニチュア / ロシアの漆芸
日本ではフェドスキノ漆器とも呼ばれますが、オイル塗料で塗装する伝統的なロシアの工芸品です。手作りで、また完成までに数多くの工程と時間を要するために、出来上がりが見事なのと価格の高さも特徴です。18世紀モスクワの近くのフェドスキノ村で起こった工芸です。
いかがでしたでしょうか。今回はギターや芸術品、そしてファッションを紹介することができました。時代によっては武器ばっかり取り上げたこともありましたので。
ではロシアの発明シリーズは、もうちょっとだけ続きます。
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