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ロシアファッションヒストリー120 ロシアの発明2

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市販のリアジェンカ 出典:https://redmondclub.com/projects/recipes/molochnye-produkty/ryazhenka1/
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ロシアファッションブログです。ロシアの発明についてのシリーズ2回目です。今回も前回に引き続き、10世紀より前のロシアの発明にどんなものがあるか見ていきましょう。

 

コソボロートカ

ロシア語コソボロートカ の意味は、斜めの襟 という意味です。日本ではルパシカという名で知られています。基本形は、長袖で、シャツの裾は太ももの中央にまで達しています。襟元のボタンを外すと襟が斜めになったように見えるため、この名前が付けられました。

襟と袖はスラブ模様の刺繍で飾られていることがよくあります。20世紀までは、農民から都市住民まで、一般にスエットシャツやトルストイシャツと呼ばれるタイプのルパシカに取って代わられるまで、誰もが着ていました。

こちらのシャツはロシア語で「толстовка」(トルストイシャツまたはスェットシャツ、トレーナー)と表記し、コソボロートカと違い真ん中に裂け目があり、ボタンやジッパーで止めます。もちろんトルストイがこのシャツを着るようになったため、そう名付けられました。

コソボロートカは、現在ロシアの民謡や踊りのイベントの際には欠かせないアイテムとなっており、かつトルコなど限られた地方のみが、襟の裂け目を端に寄せたシャツを採用しているので、ロシア独特のスタイルとして世界に認知されたファッションと言っていいでしょう。

出典:wikicommons
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Kosovorotka#/media/File:Torama_REM_30.05.2009.jpg

つまりファッションスタイルにおける発明と考えられます。トルストイシャツの方は、ロシア人自身も発明とはとらえていないようです。なお、当ブログではコソボロートカについて特集を組んでいますので、興味ある方はそちらもご訪問ください。

 

ラプティ

ラプティ

ラプティ は東スラブの靱皮靴(木の皮で編んだ靴)です。

出典:http://www.styleadvisor.ru/moda-i-stil/Istoriya-mody/530.html

靱皮の靴は主にシナノキの樹皮または白樺の皮で作られました。この靴を作ることは容易にできますが、耐久性はあまり高くありません。日本でいえばわらじですね。ロシアでは、靱皮靴は1930年代まで、西ヨーロッパのクロッグ(下駄)と同じように、革の履物の安価な代替品としてはかれていました。

 

リアジェンカ

全乳から煮沸し、その後長時間均一に加熱(8時間以上)することで製造する乳製品です。原料は白い牛乳ですが、完成すると、淡い茶色になり、室温で最大40時保存できることができます。ほとんどの乳製品が室温保存できないことから、冷蔵庫のなかった時代に特に重宝されていました。

市販のリアジェンカ
出典:https://redmondclub.com/projects/recipes/molochnye-produkty/ryazhenka1/

リアジェンカは古代から東スラブ人によって、伝統的にロシアのオーブン、つまりペチカで作られていました。現在でも、スイーツの原料として工業的に生産されますし、ロシア人家庭でも作られることも多いです。因みにブログ筆者のロシア人妻の友人が、ハバロフスク出身ですが彼女は業務スーパーから買ってきた練乳でよく作るそうです。

 

次の発明も食品です。

シー(Щиと表記します。キャベツのスープ)

シー はキャベツを主成分とするロシアのスープです。現在では、必ずしもキャベツを含んでいなくとも、スープ全体をシーと呼ぶことが多いです。

キャベツのスープ、シー
出典:Public Domain

ボルシチ(Борщ)は赤いシー、赤いスープという意味です。

ボルシチ
出典:https://www.russianfood.com/recipes/recipe.php?rid=107392

原則として、彼らは新鮮なキャベツまたはキャベツの酢漬け(ザワークラウト)と他の冬野菜から作られます。牛肉、豚肉などがこれに加えられることもあります。。夏には、冷製スープ、あるいは緑色のキャベツスープと呼ばれるものが提供されます。この緑のキャベツスープは、1917年の革命以前に人気がるものでした。特に多くのキャベツを使って作られたキャベツスープは酸味があり、現在はサワーキャベツスープと呼ばれていますが、19世紀の終わりまでは、このサワーキャベツスープはロシアの発酵飲料のクワスに近い高炭酸のロシアのごく一般的な飲料、および料理であると考えられていました。地域地域の料理は確かに発明と言っていいですね。特に発酵料理は、納豆、くさや、いずしなど、日本にも独特なものがあります。以下にボルシチの作り方を挙げておきます。

 

ブリネ(Блины、パンケーキ)

パンケーキ

ブリネはいわゆる小麦粉のパンケーキです。ロシアのパンケーキ。ブリネは、酵母の生地から作られ、一度沸騰して冷やされた水または牛乳で薄められます。

このブリネはスラブ統一の時代に登場した可能性があり、丸い形は太陽の象徴であったため、キリスト教以前の時代には特定の儀式には不可欠な宗教的な食べ物でした。

出典:https://vipvkurske.com/articles/2744/

その年の新しい太陽の誕生を祝うために伝統的に冬の終わりに準備されましたが、こうした儀式をマスレニッツアと言います。このブログで特集しています。

マスレニッツア 異教の祭りとして
出典:https://tamada-scenary.ru/your-holiday/narodnye-prazdniki/scenarij-maslenicy-maslenica-dlya-vsex

 

スメタナ(Сметана、サワークリームのこと)

サワークリーム

スメタナは乳脂肪が約40%の、やや黄色がかった白色のいわゆるサワークリームです。

出典:Public Domain

 

ロシア料理では、食前酒から、メインコースそしてデザートまで、ほぼすべての食事に欠かせないものです。

出典:https://crispy.news/2020/03/19/food-sovet/smetana-ili-russkie-slivki/

出典:https://crispy.news/2020/03/19/food-sovet/smetana-ili-russkie-slivki/

ちょうど日本人にとっての醤油みたいなものでしょうか。日本にはサワームはありますが、価格も高いし、味も違うので、在日ロシア人の悩みの種になっています。スメタナの汎用度やその独特な味から、もし日本の醤油を日本の発明とするなら(起源は中国の魚醬にあったとしても)、スメタナはロシアの発明と言っていいでしょう。

 

いかがでしたでしょうか?今回の発明品は、むしろロシア民芸と民族料理特集みたいになってしまいました。今回までのロシア古代から、次回のキエフルーシ時代と、時が進んでまいりますので徐々にもう少し複雑な、知恵を凝らしたものが登場してきます。

では次回をお楽しみに。

 

 

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