ロシア民族衣装のお店キリコシナ
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ロシアファッションヒストリー118 ロシア文学と衣装 トルストイ4

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ロシアファッションブログです。ロシア文学とそれに登場するコスチュームについての特集です。今回はトルストイの「戦争と平和」の男性登場人物の衣装に焦点を当ててみましょう。

 

男性の登場人物

2016年製作、英国BBCのテレビドラマ「戦争と平和」の中から、

男性のファッションでは、少なくとも色とスタイルという点で、すべてが女性のコスチュームに比べ当然ながらシンプルです。このドラマにおける男性の衣装の交渉は、全体としてはよくできているものとロシアの評論家は及第点の評価を与えています。

シンプルと言っても、結婚式の際のピエールや、夜会でのアンドレイ・ボルコンスキーの衣装など、非常に美しい映像もあります。

 

次に、軍服を見ると、非常にも見栄えが良く、おそらく軍事作戦には豪華で美しすぎるということもできますが、そう見せることが映画の目的ですので、許容できるところです。ちなみに、ユニフォームの色について考証すると、ロシアのパブログラードの騎兵(ニコライ・ロストフが属する)は本当に緑色のユニフォームを着ていたことを期しておきます。また、他の連隊は他の色、例えば青、水色、赤のユニフォームを着ていたことがわかっています。

 

男性の衣装やその他の装飾には、他にも注意すべきアイテムがあります。たとえば、老ボルコンスキーは、いくつかの重要なイベント(例えば娘とのマッチメイキング)のためにかつらをつけます。その後の場面でのかつらはより古いものとなりましたが、ボルコンスキーは老いていく役割であるため、かつらはその老いを強調しています。

 

イリヤー・ロストフは珍しい帽子をかぶっていますが、それはどうやらロシアの文化に対する彼の愛情を物語っているはずですが、このスタイルについては、ロシアの批評家も是非つけがたいとのことでした。ブログ筆者も、過去のロシアの資料の中で見たことはないので、もう少し調べてみましょう。

 

男性の衣装で目立ったのは、以下の画像のようなたくさんの毛皮ですが、これはロシアの大きな文化的な特徴です。そしてどの姿も違和感なく、ロシアの雪景色にマッチしていました。

 

最後に、1956年のハリウッド映画、1967年のロシア映画。そして2016年のイギリステレビドラマの比較をしてみます。

 

アンドレイ・ボルコンスキー
左から順に、メルフェレール、ヴィャチェスラフティホノフ、ジェームズノートンが小説の戦争と平和のさまざまな改作を行ったアンドレイボルコンスキーです。 | 写真:wday.ru。
左から順に、メル.フェレール、ヴィャチェス.・ラフティホノフ、ジェームズ・ノートンで、小説「戦争と平和」のハリウッド版、ロシア版、英国版のアンドレイ・ボルコンスキー役です。| 写真:wday.ru。

ブログ筆者の目では、やはり真ん中の人が聡明なロシア人に見えるし、軍服がよく身についているし、やはり最もアンドレイ役に適しているように見えますね。

イギリスの俳優ジェームズ・ノートンの演じたアンドレイボルコンスキーは、衣装の時代考証との一致は見られたものの、演技があまりにも大げさすぎるとという評価だったようです。ボルコンスキーは、大げさな人ではありません。

 

ピエール・ベズーホフ

左から順に、ヘンリーフォンダ、セルゲイボンダルチュク、ポールダノが小説の戦争と平和のさまざまな改作でピエールベズホフとして活躍。 | 写真:wday.ru。
左から順に、ヘンリーフォンダ、セルゲイ・ボンダルチュク、ポール・ダノがピエール・ベズーホフーを演じました。 写真:wday.ru。

1956年の戦争と平和のハリウッド映画化では、俳優のヘンリーフォンダがすでに60代でした。1967年の映画監督、セルゲイ・ボンダルチュクは、ピエールを演じるために、10kgも太らなければなりませんでした。またイギリスの俳優ポール・ダノはオーディションに招待されるまで「戦争と平和「」を読んだこともない青年だったという逸話があります。ただし、すべての俳優の衣装はピエールの文学的なイメージとかなり一致してたというのが、ロシア人評論家の見立てです。

いかがでしたでしょうか。このシリーズの中で、衣装や役柄のキャラクターが地味になるほど、衣装の時代性が正確になることを感想として述べましたが、衣装の地味な男性登場人物の比較においてその分析が正しかったことが証明されたのではないでしょうか。

さておそらくは、お楽しみいだいたと思われるロシア文学と衣装のシリーズでしたが、ひとたび終わりにして、次回からはまた楽しい話題を探して提供していきたいと思います。それまで楽しみにしていてください。

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