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ロシアファッションヒストリー97 イヴァンクパラ2

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ロシアファッションブログです。前回からスラブ・ロシアの伝統的なお祭り、イヴァン・クパラを紹介しています。神秘的、かつ妖艶なお祭りをご堪能ください。前回は、クパラの夜に至る前の準備のための儀式について説明いたしました。今回は本番のクパラの夜についてです。

 

クパラの夜

夏至の夜、スラブ人の信仰によって、地上の火と水の間のいわば結婚式のような儀式を行います。クパラの祭の最も重要な儀式は 、水とクパラたき火による占いに関連しています。異教の信者でなくてもスラブ人は、1年で最も短い夜に川のほとりでたき火を焚き、夜露と朝の川の水を浴び、木の周りで踊り、魔法のハーブ、シダの花(ゴゴールの物語のような)で飾り付け、悪霊界からの侵入者から身を守ったのです。

この夜、2つの強力な要素である人水が合体し、愛の奇跡が生まれたと考えます。儀式をつかさどる者がすべてを正しくやれば、火は清められ、水は洗われます。シダ、イラクサ、野生のバラ、などの植物を集めて燃やし、太陽が天を超えて消えるのを待った後、夕方が夜に変わる過程で、乾いた白樺の板に丸い穴を開け、丸太を穴に取り付けました。それをこすることで、摩擦熱から火をおこし、焚火に点火します。

シダの花
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村の長が火を起こしている間、参列者は静かにそして動かずに待って、火の神、セマルグルの出現を待っています。近くには、誰かの長女である10代の少女がおり、花に身を包み、緊張し、手を上げています。

火の神、セマルグルのシンボル
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参列者は人が多いにも関わらず静かで、暗い沈黙の中で、乾いた木のはじける音、静かなお祈りのささやき、老婆のため息だけが聞こえます。

火が起き、赤々火が燃えた時、少女は慎重に松明に火をとぼします。一方、お年寄りは水を持ってきて、それを焚火に注ぎます。大きな音で蒸発し、人水の結婚を、喜び、楽しんでいるかのように感じます。

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そして、焚火に浄化をしてもらうため、古い衣類が投げ込まれます。特に病人の着ていたシャツが回復の祈りのために焚火に投げ込まれます。

松明や焚火に集まったすべての若者は、花輪、草のベルトの装飾を身に着け、中には滑稽なルックスで登場する者もいて、笑い声が絶えません。

そして、手を合わせてクパラの焚き火を飛び越える儀式により、人水の結婚式はクライマックスを迎えます。

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一方、若い女の子と男の子は一晩中寝ません。彼らは河原の1か所に集まり、たき火を作り、お粥と揚げた卵を用意しました。

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そうして数々のたわいない戯れに時を費やします。たとえば、男の子と女の子が水をお互いに掛け合うとか、森を駆け抜け、隣人をおどろかしたりします。彼らは窓ガラスをあかないように固定したり、丸太や薪を道路に置いたり、子供のようないたずらを繰り返しますが、村人はただ微笑んで見守るばかりです。

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朝まで歩いたり、食べたり、踊ったり、歌ったり、普段は泳いではいけないとされる川や湖で泳いだりします。普段泳げない理由は、そこに人には優しくない人魚が住んでいるとスラブの人たちは考えていたからで、儀式の後は人魚も気を静めてくれるからです。

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こうし手夜を過ごした後、夜明けに、森の中で汚れた悪霊から完全に解放されると、仲の良いカップルは雑木林と渓谷に沿ってグループから分かれていきます。おおらかでいいですね。クパラの夜に生まれた子供たちは健康で美しくという、魔法の贈り物を持ってると考えられています。そして、この夏至のスラブ祭の本番は、静かに終わっていきます。

 

クパラの夜の翌朝

クパラの夜が明けた朝、村人は朝露にぬれたハーブを集めます。スラブの人々はこうして集めたすべてのハーブが、彼らが治療を必要としている病気を、彼らにささやいて教えてくれると信じていました。

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そしてそれらを拾う際に、「コリャーダの燃えがら」と呼ぶコリャーダの休日の夜以来保存されていたキャンドルで、一度自分の周りに円を描いてから採集を始めるという習慣があります。

 

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いかがでしたでしょうか。若者が主役のイヴァン・クパラというお祭り、火と水とスラブの若い女性の妖艶さが、ソヴィエト時代にも途絶えることのなかったこのお祭りの魅力なんだと思います。

次回はもう一つの有名なスラブのお祭り、マスレニッツアを取り上げます。お楽しみに。

 

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