ロシアファッションブログです。現在このブログでは、スラブの儀式を特集しています。では、今回は儀式と言われるもののうちでごくいっぱんてきなもの、結婚式について見ていきましょう。
スラブの結婚式:
スラブの結婚式のいくつかの習慣は、スラブの人になら割と誰にでも知られています。たとえば、儀式用のクッキーや、刺繍されたスラブのラシュニクという生地を地面に置くこと、あるいは参列の若者たちが「幸運を」祈り、麦を浴びせるようなものなどです。これはキリスト教の結婚式のライスシャワーと同じですね。
スラブ式に関してはこれまで見つかっている古代の年代記の多くの情報源から、スラブの結婚の儀式が、いわゆる結婚式の前から始まっていたことがわかっています。つまり儀式は縁結びから始まりました。縁結びの、家族の組合を作るための一種の合意で、花嫁花婿ではなく、通常両親の間で結ばれるものでした。言い名づけですね。
スラブの結婚式の慣習、儀式、伝統
本番の結婚式の少し前、故人となった家族(祖先)、親戚や友人の墓を訪れ、結婚を報告するのが習慣でした。この意味は、新しい夫婦に対して、祖先から祝福を受けるためとされています。この行為は、家と家との関係、言うなれば家系図の関係をしっかり意識することです。祖先とのこのような密接な関係は、古代のスラブ人にとってとても重要でした。こうした墓参りの習慣は、スラブ社会に深く浸透しており、日本の文化との共通性を感じる部分でもあります。
また、結婚式の直前には、現代の欧米の結婚でも見られる、独身お別れパーティーが催されるのが習慣でした。バチェラーパーティーともいうんですよね。
独身とのお別れの儀式(独身パーティー):
新郎新婦がそれぞれ行います。
新郎のためのパーティーは、儀式と呼べるほど伝統的なものではありません。パーティーは結婚式の前日、または結婚式の数日前に開催されることもあります。独身パーティーの特徴は、未婚の仲間や友人との宴会です。けれども、近代の欧米文化で見られるような、つまり裸のダンサーを呼んだり、ホステスを呼んだりだのの退廃的なものでは決してありません。宴会で行われる余興は、演劇、仮面遊び、なぞなぞ、おとぎ話、そしてたわいのないゲームなどです。
新婦のためのパーティーは、未婚の女性友だちと花嫁の儀式的な娯楽であり、結婚式の前日までに行われます。これは、花嫁が彼女の幼年期、青年期の、大きな責任や独立心の必要のないシンプルな生活に別れを告げる儀式です。スラブの国々では、普通こうした儀式は楽しく行われるものですが、最近までロシア北部の一地方では、こうした独身パーティーに全く娯楽的な雰囲気のない場合がありました。ここでは、泣き、嘆き、詩的な世界へのお別れを悲しみを持って告げている儀式なのです。言い換えると、厳しいロシアの北部での結婚は、女性にとって、独身時代に比べより厳しい環境に入るということだったということができます。
結婚式当日:
- お祝いの当日前に、新郎新婦の母親はパンを焼く習慣ががあります。結婚式の間、それぞれのパンから小さなこぶを切り取り、一緒にして塩漬けにします。残りのこぶは大きな布につつまれ、しっかりと結ばれます。そしてこのこぶの数が多いほど、多くの子供に恵まれる可能性が高くなると信じられています。
- 両親の祝福が花嫁の両親、花婿の両親と別々に行われます。2人は、結婚式への花嫁の到着時(つまり結婚式の前に)に花嫁の両親に祝福を受け、結婚式の後になってから新郎の両親に祝福を受けます。
- 2人は刺繍タオル(ラシュニク)で手を結ばれます。この儀式は結婚式での重要な瞬間と考えられていました。新郎が住む家に到着するまで手は縛られたままで、その後解放されます。タオルの結び目はできるだけきつく締められました。夫婦のきずなですから。スラブ・ ラシュニクはスラブの結婚式の主な特徴の一つです。それは一族の家宝であり、世代から世代へと受け継がれます。ラシュニックにはさまざまな種類があり、それらの1つ1つがさまざまなスラブ文化を反映しています。地面に広げられたスラブ刺繍のラシュニックを踏むということは、若い2人と将来の子孫の両方の力で、家族を保護するための魔法をかけることを意味します。
- 「愛の鳥」という結婚式の儀式に使われる人形が、親戚から2人に贈られます。なるべく裕福な親戚がこれを送るのが習わしです。この人形は男女の手が一本の木で作られていることが基本形で、夫は右側に、妻は左側に位置しています。新婚夫婦は、家族のお守りと安らぎの保証として、家の壁にこの人形をかけます。赤ちゃんが生まれたら、両共通の「腕」に小さな糸人形を追加することになります。ブログ筆者夫婦はもらってないなあ。
でょっと長いですが、作り方動画もあります。
他にも、ある村では列席の若者だけが結婚式の料理を食べる際に、1つのベンチに座って、1つの皿から食べるなど、村の結束を高める機会としての習慣がありました。
結婚式での神聖な服
結婚式でのスラブ飾りの主な色は赤です。それは生命、火、エネルギー、美しさの色の象徴とされている色です。ロシア語で、「赤」と「美」という言葉は同じです。
結婚式での衣装に使われる絵柄は主に、コロブラトまたは卍(鍵十字、まんじ)です。
これらはスラブの人たちの間で最も尊敬される絵柄であり、強力な魔除けという意味を持ちます。家族の団結、季節、地球や人生における変化、回転を表しています。
そして、結婚式にはこのような絵柄のついた、鉢巻きのようなもの、「オチェリャ-ochlya」を装着するのが慣習でした。
オチェリャ を付けた新婚夫婦出典:https://mishbaby.ru/slav-svadba/
昼顔の儀式(Вьюнишник):
スラブの新婚夫婦が、晴れて大人社会に入り、1個の家族として認められる日は結婚式当日ではありません。新婚夫婦が、真の社会の構成員となる日は、「昼顔の儀式」が終わってからです。「昼顔の儀式」は、地域によって異なりますが、通常イースターかイースター後の最初の土曜日か日曜日(フェオミナ)に行われることが多いです。
次のような儀式が「昼顔の儀式です」。
おしゃれな服装をしたグループが、指定された場所に集まり、村の端から端まで各家を訪問します。女性はラウンドダンスをし、家の人が自分たちのところに来て、卵、ビール、蜂蜜、ナッツ、ジンジャーブレッドなどのちょっとした御馳走がでてくるまで歌い、踊り続けます。ご馳走を頂いた後、最年長の歌手が最後のお礼の歌を歌います。
いかがでしたでしょうか。スラブの儀式3はここまでです。スラブの儀式シリーズは次回も続きます。
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