ロシアファッションヒストリーです。今回はロシア・スラブの絵柄・シンボルのパターン・ステッチを取り上げ、実際に刺繍を試みたい方のための情報を提供したいと思います。
このブログにおいて、「ロシアの霊性」というシリーズを企画し、ロシアの絵柄に意味について紹介いたしました。これらからご理解いただけるように、これからお示しするパターン、ステッチを利用する際はこれらが単なる装飾ではなく、霊性と表現できるほどに古代スラブからの伝統が息づいていることを知っていただくことは重要なことです。
色の組み合わせ
例えば、色の組み合わせは次のような、古代からの言い伝えがあります。
- 赤とオレンジの十字架のモチーフは恋人同士の愛を姦淫から守ります（ブログ筆者は現代においてそれがい良くないことであるとの社会通念があるとは思っていません）。
- 黒または赤の糸で飾りに織り込まれた馬や鶏のシンボルは、邪悪な目から子供たちを守ります。
- 青と金の組み合わせのパターンは、ビジネスに成功をもたらします。
- ロシアの絵柄の黒い刺繍は、女性の妊娠を穏やかなものにします。また、夫婦に子宝を授け、畑にはと収穫をもたらすと信じられています。
- 緑の刺繍は春、青春、そして女性のシンボルです。
以下のような多数の色やシンボルの組み合わせについての言い伝えがありますが、装飾性を意識しての組み合わせではなく、真摯な人々の祈りがこめられているのです。
結び目
スラブの刺繍はお守りとしての意味付けが強いため、いわゆるご利益を最大にするためには、刺繍における結び目をとても嫌います。よってスラブの女性たちは、刺繍は長い糸で限りなく結び目を少なくするよう努力してきました。
例えば、下の刺繍は家のもっとも重要なところ、ロシアのような寒い国では当然具体的には火が使われるところになりますが、そこに飾られる家のお守りです。こうした刺繍のルールにも先述のようなルールが適用されています。
次の刺繍はヒトに対するお守りですが、これも同様厳格なルールに基づいてツ織られています。
さて、それではスラブの絵柄・シンボルを織るためのステッチを以下挙げていきます。
十字架
スバルガ（キルギス語）太陽のシンボル。
円
アラティル
菱形
木
いかがでしたでしょうか、刺繍やビーズを使って織ってみたい図柄はあったでしょうか。もちろんネット検索を行えばいくらでも図柄は出てくるのですが、スラブという観点からはどうしてもロシア語になってしまいますので、日本語で書いている当ブログを参考にしていただければ幸いです、次回もステッチのサンプルをいくつか紹介する予定です。
参考資料
・Ornament_russkoy_narodnoy_vyshivki_Maslova
・Levacheva_T_A _-_ Pomorsky_traditsionny_kostyum
・Uzory_starinnogo_shitya_v_Rossii_1880g
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