ロシアファッションブログです。前回まで、10世紀より前の古代ロシアにおける発明について紹介してきました。今回は10世紀以降、キエフルーシ時代以降の発明品を見ていきましょう。
キエフルーシの発明
紀元10世紀
ココシュニク
ココシュニクはロシア伝統の女性の頭飾りです。その色形は通常サラファンなど、同時に着用する服装のスタイルにマッチさせるため多くのバリエーションがあります。
ココシュニックへの装飾も豊かに施され、真珠や宝石で飾られることが多いです。
「ココシュニク」という言葉自体は16世紀に登場しましたが、このタイプの頭飾りの最も初期の部分は、ヴェリキーノヴゴロドの 10〜12世紀の埋葬地で発見されました。ココシュニクは1917年の革命までは、祭礼や儀式などの特別な機会に頻繁に女性に着用されていました。
またロシア革命後はロシアの移民によって西洋のファッションに取り入れられましたので、欧米社会に対しては、ロシアが誇れるファッションの世界での発明と言っていいでしょう。
クワス(Квас)
クワスは、ライ麦またはライ麦パンから作られた発酵飲料です。
イギリスでも類似の飲料がパン飲料として知られています。クワスの色は茶色で薄いものから濃いものがあり、これは濃度によるものではなく、原料の小麦の種類やパンの作り方によって異なります。発酵の結果としてアルコールが含まれていますが、ごく少量なので非アルコール飲料として分類されます。アルコール量は最大で1.2%です。クワスと類似した低アルコール飲料は、ロシアの古代文明で知られていましたが、10世紀に現在のクワスのようなほとんどアルコールを含まない形態が東ヨーロッパに現れました。
クワスの言及はロシアの年代記「Povѣstvremennykhlѣt」が最初です。そこには、ウラジミール王子がルーシの洗礼の祭典の間、人々が種々の飲み物をどう扱ったかが書かれていますが、そこに他の飲料とともにクワスがありました。
以下のウェブサイトにクワスの作り方動画があります。
クワスは、ロシアの冷たいスープである「オクロシュカ」を調理するときの欠かせない材料としても知られています。
いかがでしたでしょうか。ココシュニックやクワス、ロシア通なら説明不要の2つの発明アイテムでした。
次回もロシアの発明シリーズは続きます。
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