ロシア民族衣装のお店キリコシナ
ロシア民族衣装のお店 キリコシナ

ロシアファッションヒストリー94 スラブの儀式9

未分類
出典:http://paranormal-news.ru/news/tainstvo_krovnogo_bratanija/2015-07-08-11037
この記事は約9分で読めます。

ロシアファッションブログです。今このブログではすラボの儀式を特集しています。前回は収穫祭のお話でした。

 

「血の兄弟の儀式」Обряд кровного братания

日本の893やイタリアのマフィアを連想させる儀式名ですが、実はスラブの「血の兄弟の儀式」も、儀式の意義は方法はほぼこれらと同じです。

同胞または血の同胞

 

全ての古い文化と同様スラブにおいても、生き物の血は多くの儀式の細部に必要不可欠な要素でした。異教の神々を崇拝する多くの儀式は、犠牲の贈り物を崇拝し、崇拝する神の祭壇にいけにえの血を注ぎます。血は活力を象徴し、また部族の記憶の源でもありました。異なる家族で生まれ、それでも兄弟になりたいと思っている人々が血の兄弟の儀式に訴えたのは当然のことと思われます。

出典:https://eparhia-birsk.ru/prochee/v-kakih-sluchayah-na-rusi-prinosili-v-zhertvu-detej.html

 

血の兄弟の儀式の意味:

古代スラブの時代には、戦争が多く、一つの家族の存続が危ぶまれるほど、家族がまとまって生を全うすることが容易ではなかった時代です。よって、若い男たちが予め兄弟となり、家族を大きくすることは生存競争の観点から大きな意味があったと考えられます。

スラブとビザンチンの戦い
出典:https://armflot.ru/srednevekove/1168-obmanut-i-unichtozhit-kakoj-byla-taktika-drevnikh-slavyan-v-bitvakh-s-armiyami-vizantijskikh-imperatorov

 

スラブの人々はそのような目的のためにこの儀式を行いますが、準備は周到でなければなりません。お互いの家族に対する忠誠心の強さは、最も時間と集中力を使って確認すべき事柄でした。というのも、そのような血縁関係は、実際の血縁関係よりもさらに高く評価されることがあり、結ばれた後はもはや放棄できないものだったからです。血によって確認された兄弟愛の誓いは、永遠であると考えられ、それはその後のすべての世代にも課されるものでした。

出典:http://paranormal-news.ru/news/tainstvo_krovnogo_bratanija/2015-07-08-11037

儀式後は、家族としてお互いの家に自由に入るようになります。彼らは血の兄弟の家にやって来るさい、家族のテーブルに座り、食事をし、会話をするなど、家族の一員として扱われます。それだけでなく兄弟愛の誓いを立てることは、これまでのすべての祖先と神々の前で最高の誓いを立てることを意味しました。この誓約の違反者はその後のすべての子孫とともに呪われると考えられ、過去と未来を共有する、非常に重い儀式だったのです。

出典:http://ru-sled.ru/kul-oba-skifskij-carskij-kurgan/

 

「血の兄弟の儀式」の進行について:

まず、この儀式に適した場所を選択することが非常に重要です。理想的には、スラブの神々の偶像が建立された異教の寺院で、「血の兄弟の儀式」を行います。

たとえば、先祖のスヴァログ、ダジドボグ、またはペルンの寺院で行うことが一般て時です。これらはスラブの多神教の神々です。

スラブ至高の神スヴァログのシンボル
出典:https://xn--80aejvmu5h.xn--80aswg/kvadrat-svaroga/
出典:https://xn--80aejvmu5h.xn--80aswg/kvadrat-svaroga/

スラブの寺院のイメージ
出典:https://fishki.net/1695560-7-samyh-strannyh-obrjadov-drevnih-slavjan.html

 

すべてのスラブの神が独自の方法(ご利益)ではあるものの、何らかの守護神であることは違いないので、どの寺院で行われる儀式にも大きな差異はありません。寺院がない場合、あるいはそこに行く方法がない場合は、儀式を行う場所は丘または河原が適していますが、低地ではない場所を選ぶことが大原則だそうです。

儀式は、魔術師または司祭によって行なうことが推奨されます。彼らは式を正しく行い、ふたりの兄弟に今後の正しい振る舞いを教えるのに十分な知識を持っていなければなりません。しかし、魔術師も司祭も近くにいない状況で儀式を行う場合、少なくとも一人の第三者がいなくてはなりません。一方、この儀式は最も神聖なものの1つであり、血兄弟の2家族の問題にすぎないため、多くの余分な人々がいることも受け入れられません。

スラブの魔術師
出典:https://infoprivorot.ru/o-zagovorax/drevnie-zagovory-ochen-silnye.html

 

儀式を開始する前に、各参加者は相手方からの贈り物を受け取る必要があります。どちらからの贈り物も、価値が等しくなければなりません。ある種のお守りを贈り物として贈ることはできますが、片方が使っていたお守りは特定の1人を守ることだけを目的としているため、絶対に贈ることはできません。贈り物としては、通常首にかけるコロブラトのお守りが最適とされます。小さな斧、または戦士が通常ベルトにつける斧も贈り物になります。またペルンの十字架もそれぞれが贈ることができます。実際、そのようなオプションはたくさんありますが、主なことは心と魂で選ぶことが厳しく言い渡されます。

コロブラトのお守り
出典:https://images.kz.prom.st/79029077_w640_h640_amulet-kolovrat-muzhskoj.jpg

 

式典の準備のもう1つのポイントは、式典中に2人の兄弟が飲まなければならない飲み物の選択です。ロシアの伝統的な発酵飲料のクワスは、儀式によく使われるものですが、血の儀式の際の飲み物として市販のクワスを準備することはありません。普通、2本の同じボトルを購入して、後で混合できるようにするのが慣例です。それぞれの自宅で特別のクワスを調理すします。これを行うには、春からきれいな水を取り、相手と同じハーブの組成を選択する必要があります。この場合、クワスはそれぞれの家で別に調理する必要があります。これは、儀式前に血の兄弟が存在することは望ましくないためです。

ちなみに、クワスの代わりに、ホップ飲料やビールを使用することもできます。

19世紀スラブのビール壺
出典:http://www.bibliotekar.ru/ruswood/64.htm

 

飲み物に加えて、土着の神々のために生贄と供物を準備することも必要です。通常、豪華なパンは供え物として適当です。ただし2つのパン、つまり各兄弟から1つづつにする必要があります。スラブ人はまた、神々に蜂蜜を提供します。これはすべて、最高の神々の恵みと兄弟関係の承認を得るために行われます。セレモニーが始まる前に、薪を追加するために、斧とナイフをできるだけきれいにしておくことことを忘れてはなりません。

出典:https://ta-li-ya.info/hleb-i-maslo-pishhevaya-kartina-mira

 

式が始まる前に、未来の兄弟は寺院か、高台に行き、互いに向かい合います。また儀式を執り行う人は、兄弟の親から儀式自体を行う許可を得る必要があります。血の兄弟のどちらかに生存中の親がいない場合、彼を育てた人々に同様の許可を売る必要があります。こうした手続きの後、儀式の執行者は聖なる火をつけ、呪文を唱えます。

こうした儀式の実際が、昔どうだったかの検証があります。その検証において上記のすべてを行うための余分な時間がなかった場合が多くあったことがわかっています。というのも、「血の兄弟の儀式」の必要性が、しばしば戦争が関係していたからです。そのような場合、この儀式はかなり緊急な事態において発生したのです。彼らの先住民の神々の寺院に行く時間がない場合、戦いの開始前に、馬に乗ったまま兄弟戦士が精神的な最強の絆で結ばれることを誓います。その際は、司祭や親や、贈り物の取り交わしなど一切の儀礼はスキップされ、兄弟同士の言葉のみで契りが交わされたそうです。

出典:http://gentlemanclub.uol.ua/text/14574401/

お互いが死ぬまで、不可分な関係であるという誓いの元、血の兄弟の契りを結んだ兵士は、死を恐れず命のある限り戦ったと考えられています。

いかがでしたでしょうか。スラブ文化の知られざる一面を紹介いたしました。次回もスラブの儀式シリーズは続きます。ちょっと変わったユーモラスな儀式が登場しますよ。

 

参考としたURL:

Братание
Братались люди вдумчиво. И после этого, люди становились свободно вхожими в дома друг - друга, не нуждаясь в дополнительных приглашениях. Приходили, как к
301 Moved Permanently

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました