ロシアファッションヒストリー７４　ベラルーシのデザイナー ２

第二に、デザイナーはトレンドを意に介することなく、独自のコレクションを展開しているという事実です。

彼女は言います。

このデザイナーは、透明でごく軽量の生地を扱うことを好みます。彼女のコレクションは常にロマンチックでフェミニンです。そして市場では手作りの細かい刺繍が注目されています。衣服の配置方法も独特です。カタログやサイトをみると、標準的な背景は少なく、海岸、古い家、畑お及びスタジオにおいてもその独自性を貫いています。

ユリア・ラツシュキナはベラルーシのファッションデザイナーであるだけでなく、メディア関係者でもあります。まだ学生のころからデザインした衣装を、ベラルーシのパフォーマーに提供しはじめ、卒業後すぐに彼女のデザイナーとしてのキャリアが始まりました。母国で成功する前に、他国での活躍が特筆されます。まず彼女はベルリンでインターンシップを終え、アムステルダムに赴き、ヨーロッパ各国での経験を積みました。その後、ロシアとウクライナでのコンクールなどで成功を収めていきました。

2016年、彼女はIvan Aiplatovとともに、リオデジャネイロ夏季オリンピックに参加したベラルーシのアスリートのための服を作成しました。その後、彼女は高齢者向け施設の従業員向けの制服なども出がけましたが、そのような地味な仕事でも、彼女の想像力は制限されることなく、かえって彼女のデザイナーとしての信頼を厚くしたようです。

彼女は、キラキラなドレス、長い裾のドレスを作るのが大好きですが、日常のワードローブアイテムではごく控えめなデザインを優先させます。コレクションの特徴の1つは、明るく対照的な色使いと言えましょう。

ブランドのヒストリア・ナチュラリスは、トレンドを否定した明確なコンセプトを持っています。

このブランドは、ポーリーナ・カルトヴィツカヤとラリッサ・ステパノヴァの2人が芸術アカデミーでの共同研究中に結成されました。ベラルーシにおける大きなファッションイベントである、、ベラルーシファッションウィークとロシアメルセデスベンツファッションウィークに定期的に参加しています。

このブランドのコンセプトは、「環境に優しい」です。環境汚染を最小限に抑えるという世界的な傾向を訴える点で、ベラルーシという国がらはとても分かりやすいです。世界的なリネンの原産地であるため、多くのベラルーシのデザイナーがリネンを多用します。ヒストリアナチュラリスも同様、天然素材のリネンを中心に、ウール、コットン、シルクのみから製品を作成しています。ブランドの特徴は、滑らかで丸みを帯びたラインとダブっとしたカットと、自然をモチーフととした少し珍しいプリントによく現れます。