ロシアファッションヒストリーブログです。前回はロシアスタイルの花嫁衣裳の中、割とオーソドックスな白を基調とした現代の花嫁たちのためのウェディングドレスの数々をお見せしました。
今回は、サラファンスタイル、ロシア民族衣装スタイルのウェディングドレスを紹介しましょう。
ロシア・サラファンスタイルの花嫁衣裳
サラファンはもともと白いブラウスの上に着るカラフルな上着でなので、これを選ぶということは同時に純白の花嫁はあきらめることになります。そして古い伝統を守るなら、やはり赤いサラファンは外せません。
ただし、裾は、ストレートやフレアのオプションは選べますし、サラファンと合わせた頭飾り、ココシュニックはいくらでも独自スタイルを追求できるのがアドヴァンテージですね。
出典:https://yandex.by/images/search
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ロシアの民族衣装の特徴である刺繍は、やはりこのタイプの花嫁衣装には欠かせません。絵柄は花でもいいですし、よりロシア文化を強調するなら、以前特集した「ロシアの霊性」にある古来の絵柄から家族の繁栄、健康と、経済的な富を象徴するものがお勧めですし、実際ロシアでは好んで選ばれます。
ウクライナでは青も好まれます。
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出典:Свадебная церемония с синим сарафаном
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ココシュニック
これまでの画像からすでにお判りのように、ロシアの伝統を重んじた花嫁衣装に必要なのは、ココシュニックです。ティアラではありません。あくまでもココシュニックですね。
出典:https://www.lavka-podarkov.ru/articles/kokoshniki/
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以上のココシュニックのように、ドレスやサラファンときちんと合わせなければならないですね。
それでもブログ筆者は次のような、オプションもありだと思います。広大なロシアでの結婚ですから、特に若いカップルにはいいと思います。
花嫁の衣装は華やかでヴァリエーションに富み、話題にすることや画像を探し出してくることは楽しいことですが、花婿の衣装はなかなか特集にしにくいです。けれども、花嫁衣裳のパーツとして見ていただきましょう。ある考え方によると、ヒトとしての完成形は女性であり、男性は異形に過ぎず、実態として生きているのは女性で、男の性は虚構の上に成り立っていますので。
新郎の衣装
ロシアにおいても、西洋式のスーツが一般的になってからは、花嫁の衣装がロシア化しても花婿の衣装は単なるスーツであることが多いのは事実です。
出典:http://svadbadoiposle.com/russkoe-narodnoe-svadebnoe-plate-kak-svezhee-dunovenie-s-privkusom-stariny.html#kcmenu
ただしこれでは、花嫁衣裳のアクセサリーにもなっていませんね。花嫁衣裳が死んでしまっています。
きちんと合わせたら、こうなります。花婿さんだけだったら、結婚式だか何だかわかりませんが、おそろいでいれば立派なロシア人カップルです。
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新郎のズボンの色は基本的に重要ではないようですね。しかし、花婿のルパシカは昔は花嫁が縫い、丁寧に刺繍を施していました。このブログのシリーズ、「ロシアの霊性」で既述したように、刺繍そのものも刺繍プロセスも、通常「祈り」を伴っているものです。花嫁は、花婿の愛情、家族の繁栄と健康を願って、結婚当日までの最も幸せな日々を送ったんですね。
次に、花婿の衣装を単に花嫁衣裳のアクセサリーと考えず、もう一人の主役と位置付けた場合のオプションを提示しましょう。
これら2枚の画像で新郎が羽織っているものは、カフタンと言い、日本語では長上衣と訳されます。トルコのカフタンも有名ですが、ロシアのものはちょっと雰囲気が違います。コートと違って屋外だけできるものではありません。そしてカフタンは着る人の社会的地位やTPOにより異なっているものです。よって、上の画像のような結婚式や重要な場面に合わせての豪華なカフタンが存在するわけです。特に刺繍の見事さが、花婿のカフタンには必要不可欠のようです。
さて、カップルで登場してもらうとこうなります。男性も結婚式におけるもう一人の主役になりえますね。
いかがでしたでしょうか。今回は以上です。
ロシアファッションブログは、まだまだ続きます。
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